ご存じでない方が多いと思いますが、平成30年から、全国の法務局において、長期間(30年以上)にわたって相続登記が行われていない土地について、法令に基づいて、相続人の1人(相続人全員ではありません)に対し、長期間相続登記がされていないことの通知書が送付されています。
(通知書サンプル)
長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)
平素より法務行政に御理解と御協力をいただきありがとうございます。 この度,所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)第4 0条に基づき当局において調査した結果,下記の土地について,所有権の登記名義人が亡くなられ ているものの,名義がそのままの状況となっており,その後も長期間にわたり相続登記等がされて いないことが判明いたしました。つきましては,当該土地の不動産登記簿上の所有者の法定相続人 の地位にある(戸籍等によってその旨を確認することができた方。)貴殿に対し,その旨を通知い たします。 今後も相続登記がされない状態が続きますと,更なる相続が発生するなどして権利関係が複雑と なり,将来の登記申請が困難になるおそれがあります。この機会に,必要な登記申請を行っていた だきますよう御理解と御協力をお願い申し上げます。(下記の土地の登記申請に当たっては,申請に 必要となる書類(被相続人の戸除籍謄本等)の一部の提供を省略することができる場合がありま す。)。 なお、相続放棄をされている場合など,貴殿が登記簿上の所有者の法定相続人の地位にない 場合には,改めて法定相続人の地位にある方に通知等をする必要がありますので,お手数ですが, 当局まで御一報いただけますと幸いでございます。 その他,本通知の内容に関して御不明な点や,御質問等がございましたら,当局までお問い合わ せください。 おって,相続登記の手続き等について,全国の司法書士会において,別添のとおり相談窓口を設 けておりますので,お知らせします。
以下、省略
(大阪法務局のホームページから抜粋) |
この通知書の送付と合わせて、法務局では、その土地の所有者の法定相続人の一覧図を作成し、これを当該法務局へ備え置く作業が進められています。
この作業が完了した土地については、その土地の登記簿に長期間相続登記がされていない旨の登記がなされます。
通知書が送られてきた土地の相続人は、当該法務局に出向き、法定相続人の一覧図や登記簿を閲覧することができます。
このような作業を通して、円滑に相続登記がされるように国を挙げて取り組んでいるのです。
相続登記が長期間にわたり、放置され、所有者が決まらない土地が増え続けていることは、前回のブログでもご紹介いたしました。
詳細は、前回のブログをご覧ください。
□相続登記をせずに長期間放置すると相続人が増え、手続が複雑化します。
□今回の特例措置を活用して、ぜひ、相続登記手続きをお勧めします。