法定相続登記をする前に相続人全員で遺産分割協議を行ったときの登記手続きは、「自分で登記する」のページに紹介していますので、そちらを参照ください。ここでは、法定相続登記後の遺産分割協議が成立した場合の登記についてお話しいたします。
もう一度、先回の内容をおさらい致します。
前か後か | 申請手続 | 原因 | 登記原因の日付 |
相続登記前に遺産分割協議 | 単独申請 | 相続 | 相続開始の日 |
相続登記後に遺産分割協議 | 共同申請 | 遺産分割 | 遺産分割協議の日 |
申請手続、原因、登記原因の日付のすべてについて、相続登記が入っている場合とそうでないとで、登記手続きがガラッと変わってきます。
最も大きな違いは、単独申請か共同申請でしょう。
甲と乙の間で遺産分割協議が成立し、その結果乙が取得すると決まった場合にの登記申請書は、下記の通りでした。
登記の目的 甲持分全部移転 原 因 年月日遺産分割 権 利 者 持分2分の1 住所 乙 義 務 者 住所 甲 添付書類 登記原因証明情報 登記済証(登記識別情報) 印鑑証明書 乙の住所証明情報 代理権限証明書
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添付書類の内容を詳しく見ていきましょう。
◆登記原因証明情報として、遺産分割協議書を添付します。
◆登記済証(登記識別情報)として、相続登記を申請した時に甲に対して交
付・発行された登記済証若しくは登記識別情報を添付します。
添付するのは、登記義務者たる甲の登記済証(登記識別情報)です。
◆印鑑証明書は登記義務者である甲のもの
(登記申請日時点で発行日から3か月を経過していないもの)
◆住所証明情報は、権利者たる乙のものです(期限の定めはありません)
◆法定の添付書類ではないので、申請書には記載していませんが、当該不動
産の固定資産評価証明書が必要となります。これは、登録免許税算出のた
めです。
◆登録免許税は、不動産の価格(移転した持分の価格)の1000分の4で
す。不動産全体が1000万円だとしたら、移転するのはその半分の2分
の1ですから、課税価格は500万円となり、結局登録免許税は、500
万円×1000分の4の2万円となります。